理系の就活では研究室からの推薦が必要って本当?

安心してください。推薦がなければ就職できないということは全くありません!

かつて理系学生の就職活動においては、研究室からの推薦制度が一般的でしたが、ここ10年ほどで状況は大きく変化しています。理由は就職活動全体の早期化だと言われています。
学生の就活時期が早まることで、研究室へ配属される頃には企業の選考がスタートしている、あるいはピークを過ぎているといったケースも出てきました。また、企業側がインターンシップ制度に重きを置くようになったことも、推薦制度が中心的な手段ではなくなっていることに影響しているとも考えられます。

こうした変化を受けて、学校側の推薦に対する取り組みも以前ほど積極的ではなくなっています。したがって、現在では理系の学生であっても推薦制度を利用しない就職活動が一般的になってきていると言えます。

専門分野だけでなく複合的な知識が必要となる時代

就活を控えた今、自分の興味のある分野と研究してきた分野に乖離があることが不安な方はいませんか。近年は専門分野だけでなく複合的な知識が必要となる時代になってきたとも言えます。
専門分野の知識はもちろん大切ですが、それだけで完結する仕事は少なく、隣接する分野の知識が必要になったり、入社してから新たな分野を学ぶ必要が出てきたりすることは頻繁にあります。理工系の技術職は、医師や弁護士のような業務独占資格がなくても、専門職として活躍できる職種です。

また、現代の技術分野は非常に多様化しており、例えば、機械系の学科出身でもソフトウェア開発に携わったり、電気系の知識がAIやデータ分析に活かされたり、といったケースもあります。学生時代に培った論理的思考力や課題解決能力、学び続ける姿勢があれば、研究内容とは異なる分野であっても十分に活躍の可能性は開けています。

むしろ、自身の専門性に加え、異分野の視点を持つことが強みとなる場合もあります。

理系のキャリアは一つじゃない。あなたの可能性を拓く多彩な道

例えば、エンジニアを志す方がいたとします。高度経済成長期の頃は、エンジニアとして入社したら、一定の年齢からマネジメント職に移行するのが一般的なキャリアパスでした。
しかし、現在はキャリアパスが多様化しています。個人の希望に合わせたキャリア形成をサポートする企業も増えてきました。

  • 技術を極める“スペシャリスト”の道
  • 技術×コミュニケーションを活かした“営業や企画”への転身
  • 現場経験を活かして“人事や経営企画”にキャリアチェンジ
  • 若手育成や教育の分野で“指導的な立場”

Etc…
就職活動をする上でも、具体的にどのような道を進んでいきたいかをイメージすることで、自分のキャリアを叶えられる仕事を見つけるためのコンパスになります。

入社時点で将来のキャリアを一つに限定する必要はありません。適性や興味の変化に合わせて、柔軟にキャリアを選択できる可能性が広がっています。

理系としての強みを活かし、未来を拓く一歩を踏み出そう

理系を含め、就活の形はここ数年で大きく変わってきました。今、専門的に研究している内容を大切にしつつ、そこにとらわれないことが大切です。自分の興味関心に目を向けて、キャリアの幅を広げていきましょう。